人はどうして人を裏切ることができるのでしょうか。
我が店舗で、またもや現金が紛失する事件が起こりました。
ある日のこと。
私の携帯が突然鳴り響きました。
私:「はい、もしもし。」
「あー、もしもし、お疲れ様。」
着信はオーナーからでした。
私:「あ、オーナーっすか?どうしたんですか?」
オーナー:「昨日、シフト上がりのレジ点検合ってた?」
(レジ点検とはレジ内の現金がちょうどあるかどうか確かめる操作のことをいいます。)
私:「合ってましたよ。ジャスト0でした。」
オーナー:「そうか・・・。」
私:「どうしたんですか?」
オーナー:「それがね・・・。清算してみたら、マイナス7万円出たんだよね・・・。」
私:「え・・・?」
オーナー:「レジの中から7万円消えちゃったんだよー!」
レジ点検は一日に数回行なうのですが、釣りの渡し間違えや代金の預かり間違えで何円か狂うことはたまにあります。
しかし、数万円というのはお客さんに盗まれるか、もしくは従業員が盗むかしないと無くなるということは有り得ません。
お金に羽が生えて無くなるわけないですもんね。
私:「・・・で、でも私が点検したときは合ってましたよ?」
オーナー:「うん、大丈夫、○○さんのことは信用してるから。」
私:「・・・でも誰かが盗ったっていうことですよね?」
オーナー:「まあそれ以外考えられないだろうね。」
私:「じゃあ私がレジ点検やった後に誰かが盗ったっていうことですか?」
オーナー:「そうなるかな。」
私:「じゃあ深夜の人としか考えられませんよ?」
オーナー:「でも昨日は伊賀くん(深夜アルバイト フリーター 遅刻癖有り)が遅刻してきたから
小田くんが深夜まで残ってたよね?」
私:「あ・・・そういえば・・・。
で、でもオーナー!小田くんを疑ってるんですか?」
オーナー:「そうは言ってないだろう。
でも朝清算するまでの間に無くなったんだから、
選択肢としては小田か、伊賀、もしくは馬さん(留学生 男性)しかいないだろう。」
私:「やめましょうよ!誰もお金を盗ったりする人じゃないですよ!」
オーナー:「でも現実問題無くなってるんだよ。」
私:「・・・あ、カメラ見ましたか?監視カメラ!」
オーナー:「見たよ。」
私:「じゃあ犯人いたら分かるはずでしょ?」
オーナー:「それが分からなかったんだ。」
私:「どうしてですか!?」
オーナー:「やっぱり細かいところまでは見えないんだよ。あのカメラも。
うまくやったら絶対わからない。怪しいといえば全員怪しいんだ。」
私:「お客さんに盗まれたってことはないんですか?」
オーナー:「それはなかった。」
私:「・・・。」
後日私も監視カメラの映像を何度も確認しましたが分からずじまい。
この一件はごくごく一部の人にしか知らされず、
誰も問いただされることもなく、迷宮入りとなってしまいました。
それから1ヶ月ほど経った日のこと。
またもや現金が紛失しました。次は1万円。
時間は、夕勤のレジ点検時。
そこにいたのは、私、小田くん、伊賀くんの3人でした・・・・。
私:「伊賀くん、どうでした?合ってました?」
伊賀くん:「いや・・・多分数え間違えたんだ。もう1回やってみるよ。」
小田くん:「え?合ってないんですか?」
伊賀くん:「うん。1万円足りない・・・。」
私:「・・・え?」
小田くん:「まさか~!」
伊賀くん:「多分数え間違えだろ。」
そしてもう1回レジ点検をやり直して確認することに。
私:「伊賀くん、どうでした?」
伊賀くん:「・・・ダメだったよ。」
小田くん:「マジっすか!?」
私:「・・・何でだろ。」
小田くん:「僕盗ってないですよ!?」
伊賀くん:「俺だって!そんな足がつくことするわけないじゃん!」
私:「私だって盗ってないですよ!見ます?何なら裸になりましょうか!?」
小田くん:「・・・。」
伊賀くん:「・・・。」
私:「あ、あはははは・・・冗談言ってる場合じゃないね・・・。」
私たちはすぐさまオーナーに連絡し、その日は帰りました。
そして翌日、オーナーから携帯に着信があるんじゃないかと冷や冷やしながら待ってると、
意外なことに着信は有りませんでした。
どうしても気になった私は店に足を運んでみました。
私:「オーナー、お疲れ様です。」
オーナー:「あ、お疲れ。昨日は大変だったな。」
私:「1万円が無くなった原因わかりましたか?」
オーナー:「うん。バッチリね。」
私:「え!?」
オーナー:「あいつはとんでもない奴だよ。今までも分からないやり方で店の金を盗ってたみたいだ。」
私:「・・・。」
オーナー:「だからもう辞めてもらうことにしたんだ。」
私:「犯人は誰なんですか・・・?」
オーナー:「犯人は・・・
続く。
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