相変わらず宅建試験に向けて東京で猛勉強をしている者です。
いや、猛勉強ってほどでもないか。
勉強しているものです^^
息抜き程度に更新を。
東京で派遣のコンビニアルバイターとして活躍している私ですが、
先日一風変わった店員がいるコンビニへと派遣されてきました。
そこは駅の近くにあり、なかなかの好立地なお店。
にもかかわらず、客が少ない=暇
一緒にシフトに入っていた専属アルバイトの男性Aさん(20代 イケメン風)と話をしながら仕事をしていました。
ドキドキ。
派遣先にイケメンがいるって珍しいお^^
最初は様子を見ながら接していました。
Aさんのほうも人見知りをするのか控えめな様子。
Aさん:「派遣って色んなところに行くの?」
私:「そうなんです。」
Aさん:「そっかー。毎回違う店ってやりにくくない?」
私:「うーん。もう慣れましたよ。」
Aさん:「でもさー、お店の人と仲良くできるかなーとか不安にならないの?」
私:「私人見知りしないんで大丈夫です。それにレジばっかで忙しくて話す暇もない店ばかりですし。」
Aさん:「そうなんだー。」
こんな世間話をしていました。
そして働き始めて1時間ほど経った頃。
今まで控えめだったAさんが豹変しはじめました。
Aさん:「あのさー。急に聞くのもあれなんだけど聞いてもいい?」
私:「あ、はい。何ですか?」
Aさん:「妄想って好き?」
私:「・・・え?」
Aさん:「だーかーら!妄想だよ!」
何ですか!突然!
私:「うーん、まあするといったらしますけど・・・。」
Aさん:「へえ。そうなんだ。ふふふ。」
私の返事を聞き、ほくそ笑むAさん。
Aさん:「じゃあ僕の妄想話聞いてくれない?」
私:「は、はい。」
Aさんは、目を細め、身振り手振りを交えながら語り始めました。
Aさん:「僕はねえ、もう死ぬときのことまで考えているんだよ。」
私:「はあ。」
Aさん:「どんなシチュエーションだと思う!?」
私:「うーん。」
Aさん:「僕には彼女がいるんだ。あ、これももちろん妄想だけどね!へっへっへ!
それでね、その日は彼女の誕生日なんだ。もちろんデートの約束も取り付けている。
が!しかし!僕は交通事故に遭ってしまうんだ。
なぜなら、車に轢かれそうになっている子犬を助けたから!」
私:「は、はあ・・・。」
Aさん:「ちょっと君!今安っぽいドラマか!って思ったでしょ?まあそう言わずに聞いてくれよ。」
Aさんは、妻夫木似のイケメン顔を紅潮させながら、さらに捲くし立てるように喋りました。
Aさん:「その子犬を助けたことによって僕は死んでしまうんだ!もちろん子犬の命は助かった。
しかし僕はもうこの世にはいない・・・。」
Aさんは目をウルウルさせながらポケットティッシュで鼻をかみました。
私:「それがAさんの死にかたですか?」
Aさん:「ノンノンノン!これには続きがあるんだよ!」
私:「まだあるんですか!」
Aさん:「まあ聞きたまえ!」
私:「・・・。」
Aさん:「僕が交通事故に遭ったことを知った彼女は放心状態のまま家に帰ったんだ。
そして、いつも通り留守電のメッセージを流した。」
私:「留守電って、携帯じゃなくて固定電話の?」
Aさん:「当たり前じゃないか!」
私:「古いですよ。」
Aさん:「うるさい!続きを聞きたまえ!
彼女は僕のメッセージを聞いた。
『誕生日おめでとう。これからもずっと傍にいて君を守るよ。』
そのメッセージを聞いた彼女はその場に泣き崩れた・・・。」
私:「終わりですか?」
Aさん:「ああ。どう?感想は?」
私:「感想って言われても・・・。うーん。まあありがちな話で・・・。」
Aさん:「何!?今何と言った!?」
私:「ひい!何でもないです!」
Aさん:「はっはっは!」
Aさんは満足気に、中断していた仕事に取り掛かり始めました。
しかし10分後・・・。
Aさん:「○○さんは生まれ変わったら何になりたい?」
私:「えー。何を突然!」
Aさん:「いいから答えなさい!」
私:「うーん。じゃあ男になってみたいですねえ。」
Aさん:「何で?」
私:「だって今までずっと女だったから男の人生も経験してみたいじゃないですか。」
Aさん:「ふーん。」
私:「え?おかしいですか?」
Aさん:「なんかこうインパクトが無いんだよねー。」
私:「そうですか。じゃあAさんは何になりたいんですか?」
私がこう質問した瞬間、Aさんの目がキラリと輝きました。
しまった・・・。余計なことを聞いてしまった・・・。
Aさん:「よくぞ聞いてくれた。へへへ・・・僕はだねえ。
生まれ変わったら自転車のサドルになりたいんだ!」
私:「・・・え?」
Aさん:「だから!サドルになりたいんだよ!」
私:「・・・あなたアホでしょwwwwww」
Aさん:「よく言われる^^
まあ聞きたまえ。」
私:「wwwww」
Aさん:「サドル・・・。なんて壮絶な人生なんだ。
サドルの緊張感といったら、人間とは比べ物にならないんだよ。分かるかね?」
私:「全然分かりません。」
Aさん:「仕方ない。説明してあげよう。」
説明したいだけだろ!
Aさん:「サドルは大きなリスクを背負って生きているんだ。
誰に座られるかという不安感。これに勝るものは他に無い。
例えば、美しいお姉さんに当たったとしよう。これは最高だ!
究極に素晴らしいサドル人生といえるだろう。
がしかし!臭いオッサンに当たったとしよう!これは最低だ!
ましてオッサンが変な虫を腸内で飼っていたらと考えるとゾクゾクする・・・。」
私:「そんな人生嫌じゃないですか?」
Aさん:「全く君はダメだなー。このスリルが人生には必要なんだよ!
何の緊張感も持たずに生きるなんておもしろくないだろう。
誰に座られるか!いつ盗まれるか!という恐怖もサドルにはつき物なんだ。
これがいいんだよ!ヒヒヒヒヒ!」
私:「あの・・・頭大丈夫ですか?」
Aさん:「心配することはない。正常だ。
たまに『空を流れる雲になりたい』なんてキザなことを言う奴がいるだろう。」
私:「ドラマの中でしか聞いたことがないセリフですが。」
Aさん:「そんな奴はだなあ。クズだ!何が雲だ!ヒヒヒ!そんな人生おもしろいわけがない!」
私:「・・・。」
するとバックルームで作業をしていた店長が、
般若のような顔でやってきました。
店長:「こら!お前はまた・・・!仕事は終わったのか!?」
Aさん:「い、いえ・・・まだ・・・。」
店長:「ガミガミガミ!」
Aさん:「しゅん・・・。」
怒られたAさんはしょんぼりしたまま仕事へと戻りました。
しかし10分後。
Aさん:「それでさー!聞いてよ!僕の妄想について!」
私:「はあ・・・。Aさんって黙ってたらいいのにってよく言われません?」
Aさん:「そうなんだよ。いつも言われるんだよ。でもね、僕だって好きで妻夫木聡に似ているわけじゃないんだよ!
神様のいたずらなのさ!
そんなことより、君は将来何になりたい?」
私:「あ、すみません、もう時間なんで帰ります^^
お疲れ様でした〜!」
Aさん:「ちょっとー!」
Aさんは名残惜しそうに私を見送ってくれました。
とってもとっても楽しいアルバイトでした。
おしまい!