あれは12月の末のことでした。
密かに私は大阪、東京といつものコースで旅に出ていたのですが、大阪から東京に向かう夜行バスの中で悲劇は起こったのでした。
連れの方(♂)が予約を取ってくれた格安バスに乗り込もうと大阪駅に向かったのですが・・・。
私:「さすがに今日は疲れたねぇ。」
連れ:「うん。」
私:「てかバスはどこから出発するの?」
連れ:「えーっと、どこかなぁ。」
私:「・・・。」
連れ:「・・・。」
私:「迷った?」
連れ:「そんなことないよ^^;」
私:「だよね、東京の人が迷うわけないよねー。」
連れ:「も、もちろんだよ!エッヘン!」
30分程歩き回ってやっとバス乗り場に到着しました。
私:「やっぱ迷うわけなかったねー^^」
連れ:「はっはっは!」
そして乗務員のアナウンスによりバスに乗り込むことに。
私:「せ、狭っ!」
バスは普通の観光バスとなんら変わりないサイズでした。
普通に補助席とか付いてたし。
今まで3列シートのちょっと高級な夜行バスにしか乗ったことがなかったので少々面食らった私。
私:「マジでこれで東京まで向かうの・・・?」
連れ:「当たり前じゃん。こんなの普通だよ?」
私:「そ、そうなんだ・・・。」
連れ:「安かったんだから文句言うなよー!」
私:「う、うん、そうだね。文句言っちゃダメだね!」
連れ:「^^」
連れは笑顔で寝る支度を始めていました。
この後起こる悲劇などこのときは想像もしていなかったのです・・・。
そして10分後。
乗務員:「すみませーん、これから補助席のお客様が入られますので、よろしくお願いします!」
ほ、補助席!?
普通の夜行バスって補助席まで使うのかよ!知らなかった!
なんて思いながら連れのほうを見ると、私同様驚きを隠せないでいるようでした。
私:「すごいねー。安いバスって補助席にまで座るんだねー。」
連れ:「い、いや、初めての経験だよ。補助席まで使うだなんて。」
私:「え?そうなの?」
連れ:「うん。」
私:「あ、でもさ、隣誰も座らなさそうじゃない?ま、私は窓際だから関係ないけどさ^^」
連れ:「座らないといいけどなー。補助席に誰か座るなんて気遣うし嫌だしなー。」
私:「ヒヒヒ、どうする・・・?気持ち悪いオヤジが座ってきたら・・・!ヒヒヒヒヒ!」
連れ:「ヒヒヒヒヒ!まさか!ヒヒヒヒヒ!」
そして5分後・・・。
ドスン。
連れの横に何かが座るような物音がしました。
眠ろうとしていた矢先だったので、チラっと横を見ると顔を引きつらせた連れの姿が・・・。
どうやら何者かが隣に座ってきたようでした。
私:「残念だったね・・・。やっぱ補助席使うんだね。」(小声で)
連れ:「・・・・・・。」
私:「・・・どうしたの?」
連れ:「・・・臭が・・・。」
私:「・・・?」
連れ:「隣のオヤジの加齢臭がハンパない・・・!」
私:「・・・ぷぷ・・・。」
どうやら予想通り、連れの隣の補助席には気持ちの悪いオヤジ(加齢臭付き)が座ってきたようでした。
私:「・・・ヒヒヒ、こうも予想通り物事が運ぶなんて。」
連れ:「・・・笑い事じゃないんだけど!ガチでヤバイって!」
私:「そんなに臭うの?こっちは全然なんだけど!」
連れ:「・・・!!!さ、最悪やー!」
私:「グヒヒヒヒヒ!」
そうこう言いながら、私たちは眠りにつこうと目を閉じました。
・・・しかし。
連れ:「ねえ!ねえ!」(小声で)
私:「・・・何よー!寝てたのに!」
連れ:「ヤバイ!ヤバイ!」
私:「・・・ぷぷぷ。」
10分後。
連れ:「ねえ!」
私:「・・・もう!」
連れ:「もうだめだ・・・!この世の物とは思えない臭いが・・・!」
私:「全く大げさだよ!こっちは全然臭わないから分からないし!それより座席下の暖房が熱すぎるんだけど・・・!」
連れ:「・・・ふはいしている・・・!」
10分後。
私:「ねえ!ねえ!」
連れ:「何だよ!せっかく寝付いたと思ったのに!」
私:「座席下の暖房が熱すぎるんだけど・・・!」
連れ:「それくらい我慢しろよ!こっちに比べたらまだマシだぜ!」
私:「・・・ぷぷぷぷ。」
そしてまもなく1回目の休憩がやってきました。
補助席の人は他の人が通れないので、無理矢理外に追い出される形になりました。
連れ:「・・・助かった!死にそうだったよ!あのオヤジどこか腐ってるんじゃないか!?」
私:「ちょ・・・!失礼にも程があるって!」
連れ:「ちょっと!他人事だと思って!」
私:「マジで口悪すぎだから!」
連れ:「でもさあ!」
私:「ほら!戻ってきたよ!」
連れ:「ゴッホン!」
オヤジは連れのほうに体を傾けながらどっこいしょと腰を下ろしました。
連れ:「・・・!」
隣を見ると連れが血走った目で何かに耐えている様子でした。
私:「ちょっと・・・どうしたの?」
連れ:「臭いが・・・臭いが・・・・!!!!」
私:「?」
連れ:「臭いが増している・・・!」
どうやらオヤジは休憩中にタバコを吸ったらしく、それによりさらに体臭が増しているようでした。
連れ:「・・・しかもなぜか俺の肘掛を占領してくるんだけど・・・。」
私:「・・・ぷぷぷ。」
連れ:「・・・最悪や!最悪やー!」
私の悩みの種である座席下の暖房は誰かが乗務員に注意してくれたらしく、改善されていました。よかったー!
しかし、連れの悩みの種のほうは改善の余地もないようで・・・。
連れ:「ねえねえ!」
私:「全く何よー!せっかくウトウトしてたのに。」
連れ:「もう俺限界だ・・・!しかもさっきチラって顔見たら大学の教授に超似てるんだけど・・・!」
私:「そんなの知らないよ。」
連れ:「・・・ぷぷぷぷぷ!もうダメ!」
私:「ちょっと!皆寝てるんだから笑わないでよ!」
連れ:「ぷぷぷぷぷぷ!」
オヤジの加齢臭に頭までやられてしまったのか、私の耳元で妙な笑い方をする連れ。
静まり返った雰囲気が、さらに笑いを誘うんだよなー。
(注:全て耳元で超小声で話してますので周りには殆ど聞こえて無いはずです。)
そして2回目の休憩がやってきました。
連れ:「また休憩か・・・。」
私:「よかったじゃん、オヤジ降りていったよ。」
連れ:「うーん・・・。」
何か腑に落ちない様子の連れ。
しばらくするとオヤジが戻ってきました。
連れ:「・・・やっぱり!」
私:「何が?」
連れ:「・・・あのオヤジ、休憩のたびにパワーアップしてやがる・・・!」
私:「はい?」
連れ:「たぶん休憩中に吸ったタバコのせいだ・・・!」
私:「ぷぷぷ。」
連れ:「もう加齢臭を通り越して腐敗臭が・・・!」
私:「おやすみ!」
大騒ぎする連れを放置して、私は眠りに付きました。
そして翌朝。
私:「・・・おはよ!」
連れ:「・・・おはよう。」
私:「眠れた?」
連れ:「眠れるか!」
私:「安いバスだから文句言っちゃいけないんじゃなかったっけ?」
連れ:「・・・もう二度とこのバスは乗らない!」
私:「クンクン!」
連れ:「何?」
私:「なんかあんた加齢臭がするぜ!」
連れ:「俺のじゃないよ!明らかにあのオヤジの・・・!」
私:「^^」
笑顔で連れの肩をそっと叩いたのでした。
楽しい楽しい夜行バスでございました^^
すみません、コメント返す暇が無さそうなんでコメ欄消します><

